「学習する組織」であっても、それぞれの組織には固有の学習伝播速度がある。
学習伝播速度以上の速度で組織内に学習を進めようとすると、
組織は分裂し、聞く耳を持たなくなる。
それどころか別の分派がイノベーションに反対して、大抵抗を試みるようになる。
抵抗勢力の登場である。
抵抗勢力は、自分たちは間違っていると思っているのではない。
抵抗することが正義であると考えているのである。
組織内が分裂すれば、それまで以上に学習伝播速度は失われてしまう。
むしろ、新しい考え方の説明は、抵抗勢力を勢いづかせるという
逆効果さえ生まれてくるのである。
そして、不幸なことに抵抗勢力は、革新勢力よりも小さなエネルギーで、
多くの味方を得ることが多いので、
ときとして(抵抗勢力は)勝利を収めるのである。
組織内の仕事は、始めは企画され、手本が示されて、説明がされて、
実際にやってみて、次第に人々がなれてゆくことによって習慣化し、
意識しないでもやってゆけるようになる。
習慣化しない限り、仕事の効率は悪いし、担当する人々の疲労は大きい。
作業が習慣化すれば、仕事の進め方についての考え方も無意識の内に肯定され、
他の批判を 受け入れがたくしているはずである。
イノベーションの勢力は、はじめは組織内では小さな勢力である。
大きな勢力は旧守勢力である。
旧守勢力は、意識して旧守勢力となっているのではない。
習慣と仕事の効率のために旧来のやり方を守っているのである。
仕事の効率は、多くの場合、どんな組織でも美徳である。
イノベーションの勢力が何かを言い始めれば、美徳をけなされたと感じて、
自らのモラルに架けて反撃に転ずるのである。
正義感に駆られているので、始末に終えないのである。
by 琵琶
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