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7.個人資産が多い者であること

実際のところ、日本の企業は適度の借入金によって日常的な運転資金を得ている。 中小零細企業に運転資金を貸す金融機関は、ことごとく、社長の連帯保証を要求する。 当該企業のもつ社会的価値や将来性にかけて運転資金を貸す金融機関は皆無である。 「社長の連帯保証」を求めるということは、 社長の個人資産を担保にするということと同義である。

24年間の会社経営で、私は結果として親から受け継いだ個人資産のほとんどを 金融機関に貢いだことになるが、 すくなくとも私が会社の借入の連帯保証ができたから、 この会社が存続しているともいえるのである。

なぜ、そのようなことになるのかについては諸説があるが、 税制上、運転資金として自前資金を蓄えると高い税金を払うことになるので、 もともと利益率の高くない中小零細な企業は たちまち運転資金を税金として吸い上げられてしまうという現実があるのである。

金融機関からの借入金については数%から10数%の利息の支払いが必要だが、 数十%から60%に上る税金に比べれば ある意味ではマシという「毒マンジュウ」にも似た社会的経営慣行があるのである。 これを避けるには、無借金経営、すなわち、「税金の高額納税企業」になることである。 事実上、これは大変に難しいのである。

後継者の人は、連帯保証はしても資産を失うようなヘマはやらないだろう。 私が経営した過去には、信じた顧客が倒産したり、 経営難となって支払いが不能となったケースがあり、 その都度、社員の給与や外注さんへの支払いのために個人資産を提供してきた。

「井戸塀政治家」という言葉があるが、私は「井戸塀経営者」だった。 その意味で、その結末は経営者としてはあるまじき不覚だった。 もって他山の石として、後継社長は「豊な社長」となってほしいものではある。 いずれにしても、個人資産がなければ運転資金を確保できないという現実がある。

該当者が多ければ、より多くの個人資産を持つ者が 後継者に選ばれる公算が高くなる。


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