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http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/03/354_39eb.html

2005/03/06

10.経営の理念と戦略

社長になるための条件として、 他人から信頼される生活様式ができること、 仕事に関係する能力が高いこと、 人の心が理解できること、 用心深くまた荒々しくも戦うことができること、 などなどについて書いてきた。

いずれも社長になるための必要条件である。

社長になるためには身につけておかなければならない能力はいろいろである。 社長はその会社ではトップであり、全部の責任を負っているのである。 すなわち全能であることを要求されている。 このように言うとあまりにも漠然としていて、何をして良いかわからなくなる。


社長といわずも経営者ならば、経営の戦略を持たなければならない。 ここで、戦略というからには、目的があるのである。

時々、会社経営者からお話をうかがうと戦略論ばかりで、 「経営目的」について語ることのない人に出会うことがある。 多くは伝統ある企業の重役の皆さんである。 こんな人が社長になると会社はたちまち傾いてしまう。

「目的なき戦略」は人の心を捉えないのである。 人心を捉えない社長はどんなに立派な戦略を掲げても、誰もついてこないので、 戦う前にすでに負けているのである。 初代の創業社長がなくなると、続いて会社も市場から退場するのはこのようなケースではよくある。

逆に、すばらしい「経営理念と目的」を掲げていても、 戦略なき社長の場合はたちまちにして行き詰まるのである。 この種の社長は、スピンアウト起業を果たしたベンチャーの社長さんに多い。


「戦略」は「経営理念と目的」に従属し、 「経営理念と目的」は「戦略」によって支えられる。 「経営理念と目的」と「戦略」は一体のものであって、 両者が矛盾なく成立していなければならないのである。

私の会社の「経営理念と目的」は、 「最新の科学技術を万人のために」である。 商売がどんなに私利私欲のために行われるように見えても、 この目的から外れることがなければ、まずは社会に役立っているのである。

「会社は、お金が儲かればいいのだ」という人も多いが、 社会に役立たない仕事は、やがて社会から抹殺される運命にあるのである。 社会は他人に危害を加えるような商売にそれほど寛容ではない。 社会にとって役立たないというだけでも、無視されて、立ち枯れ状態となる。

企業が存続を許されるのは、社会にとって役立つからである。 人も社会に生かされているが、企業もまた社会によって生かされているのである。


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