11.経営戦略
ては、そのような「経営理念と目的」を実現する
「経営戦略」とはどのようなものだろうか。
主要な戦略は、「前方戦略」「社内戦略」「後方戦略」である。
これらを「主要な3つの経営戦略」と呼ぶ。
(1)「前方戦略」
顧客に商品やサービスを買っていただくための戦略 消費財であれば、
商品開発、ルート開拓、小売店優遇制度、宣伝広報などが前方戦略の内容である。
サービス産業であれば、顧客情報管理、告知戦略、キャンペーンなどが該当する。
(2)「社内戦略」
経営理念の徹底、モラルの向上、技術教育・商品知識の周知、人事考課などである。
(3)「後方戦略」
仕入れルートの開拓、外注・下職さんから信頼を得ること、などがここには含まれる。
このほか、「海外戦略」「学術戦略」を加えて、5つの経営戦略となる。
(4)「海外戦略」
言語や文化の違う海外との取引のためには、エージェントを利用したり、
特別な社員教育を必要としたりすることも多い。
国内とは異なるポリティカルリスクや文化リスクもある。
宗教上の理由で取り扱えない品物もある。
リスクがあっても海外との取引は避けて通れない。
これらに対応するものは、主要3戦略の中にないので、別の扱いにすることが多い。
これが「海外戦略」である。
(5)「学術戦略」
企業が提供する商品やサービスは、陳腐化すれば市場から見捨てられてしまう。
市場では常に競争にさらされるので、
日々より安価でよりよい商品やサービスを提供する必要がある。
市場のニーズを探るとともに、新たなシーズを探さなければならない。
学術分野は、ぼんくらがみれば役に立たない情報ばかりだが、
顧客の心を良く知る者がじっと目を凝らせば、そこは豊かなシーズの大海である。
大学や企業の研究成果に目を凝らし、研究者とよく交わり、
可能性の豊かな研究室から人材を採用し、社内の人材を学術界に送り出す。
商品開発やサービスの開拓、市場ニーズの変化などについて、
常に大学人や社外のシンクタンクの意見を聞ける環境を整備しておく必要がある。
これが「学術戦略」である。
さて、会社の経営者は、これらの5つの戦略のすべてに精通していなければならない。
それぞれの戦略がどんなものか、
実践を経験して身に着けていなければならないのである。
小なりといえども、当社が24年間も継続してきたのは、
それぞれの戦略をいつも自覚して、
微力といえども努力してきたことが効を奏しているともいえるのである。
次の社長になる人たちは、これらのことにも精通しなければらない。
これらは社長の条件である。
たいていの企業で社員はこれらのことを知らされることはないだろう。
大手の開かれた企業では、選ばれたエリート社員にだけ伝授されるだけだろう。
世襲制の企業では、一子相伝で伝えられるだけに限られる。
零細な企業では、創業者が夢中で身に着けた戦略戦術を
社員らに伝えるまもなく高齢を迎えて引退または死去して、
社員らは会社を支えるノウハウ(戦略)に気づかぬ間に
、会社も倒れてしまうことが多いのである。
私の会社は、小さい企業だが、オープンな会社である。
一子相伝というわけには行かない。
社長を目指すものは、経営戦略をよりよく理解し、学び、
また実践の中で力をつけなければならない。
「戦略・戦術」には、経営者の「瞬発力」がものをいう。
事態の変化に気づいたら、間髪いれずに行動する行動力が必要である。
これらの能力を身に着けた者が社長になる資格がある。
これらの能力を身に着けた者が多ければ、
よりよい能力を身に着けた者がより社長に近いということができる。
別の機会があれば、それぞれの「戦略」について、このブログに書いてゆきたい。