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(9)高度な技術と"安^3(アンスリー)"

http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/09/93_51e8.html

2005/09/9

当社の受託する開発費は実際のところ大変安価である。 コンサル会社や大手コンピュータメーカの受託金額のおよそ 半額から4分の一であることが多い。

われわれは、コンサル会社や大手コンピュータメーカと 競合して営業することはめったにない。 たいていは大手コンサル会社や大手コンピュータメーカの下請けである。 優良な下請けシステムハウスとして、 大手コンサル会社や大手コンピュータメーカがそのときそのときに保護してくれたのが、 25年もの長きにわたって生き残ってきたもう一つの理由かもしれない。

顧客企業や元請企業の専務さんや常務さん、事業部長さんだった人たち、 中には元社長さんまでがいまだに私たちのイベントには出てきてくれる。 本当にありがたいことだ。 これは、そのときの信頼関係からだと信じている。


われわれの残してきた作品を見るとどれもかなり高度である。 初期の新聞社の統計解析アプリケーション、 某国国防省のミサイル誘導システム、 外資系企業の全国オンライン経営支援システム、 MMLシステム、全社情報システム、 日本の学術ロケット誘導システム、 自動車の安全運転支援システム、 官庁系のホームページ自動生成システム、・・・。

http://www.sciencehouse.jp/materials/results.pdf

難度の高いシステムばかりのように感じられるだろう。 いかにも、お値段が高そうに見えるかもしれない。 どうやら、そう考えられて、敬遠する人もいるようだ。

その実は、その時代の標準に比べるとかなり安価だったのである。 社長を志す君たちは、高度で崇高なシステム開発の仕事に取り組んでいる。 それを誇りにしている。 そしてその技術力の高さに強い自信を持っている。 それでよいと思う。

しかし、世間はそれだけでは、振り向いてくれない。 当たり前だが、コストパフォーマンスが大切である。 安心・安全・安価(="安^3"、アンスリー)に、 高度な技術を提供すること、 をモットーにしてきた事実を忘れてはならない。

商売なのだから当然といえば当然であるが、 案外そのような努力は当たり前すぎて宣伝してこなかったが、 これからは自信を持って、"安^3(アンスリー)"でやってきたし、 これからも"安^3(アンスリー)"でやってゆくことを改めて表明してほしい。


1981年3月、当社は設立された。 出版とシステム開発の仕事が半々だった。 今は、出版の売上は3%、システム開発の売上が97%という比率であるが、 この変化は徐々に起こってきたことである。

最初、システム開発は、大型計算機を利用する派遣だった。 Fortran-SやAPLを利用した人工知能型のシステムの構築で、 世界でも新しいシステムだった。

1981年の夏には、Fortranでできる仕事のある部分はBasicでも出来ると判断して、 パソコンの世界に突入した。 TRSのスタンドアロンのパソコンがあったころである。 富士通のFM8やPC8000が後を追っていた。

徐々に派遣の仕事を離れてパソコンのパッケージ (安価にシステムを供給できる)に転じていった。 パソコンと大型計算機の両方の技能を持つことが買われて、 企業システムや官庁システムに復帰するが、 これがMML(マイクロメインフレーム)の発明(世界初)につながった。

このころのわれわれの標語は 「自分たちの仕事を減らすシステム開発が本物のシステム開発」だった。 モジュール化できるものはモジュール化し、 自動化できるものはできるだけ自動化して、 コストのかからないシステムの開発に専念した。

世間では、わざわざ(かどうかは分からないが) 下手なシステム作りをしてその後の仕事を増やす手合いもいるのである。

「自分たちの仕事を減らすシステム開発が本物」というと顧客は目をぱちくりする。 なかなか信じてもらえないが、一仕事が終わってみれば、納得というものである。 下手なシステム作りをしてその後の仕事を増やす手合いは、 その当座は儲けたかもしれないが、 結局、数年で消えてゆく。 お客様も決して見ていないわけではないのである。


出版の事業では、写研と決別して、パソコン組版のミチヤと組んだのは1984年で、 東京では初めての冒険だった。 ミチヤはともあれ、組版コードは持続すると踏んだからである。 現在はTEXとワードの組版に転換している。

ワードは市販のソフトだが、作成されたファイルはrtf形式にすれば、 国際標準なので、汎用性と持続性・保持性に問題がないのである。 組版作成コストは飛躍的に安くなった。 業界は3年遅れでわれわれを追ってきた。 今では当たり前になりつつある。

直近の決断では、ユニックスばかりではなくlinuxにし、 FortranやC++ばかりではなくJAVAテクノロジーを採用し、 オラクルなどの市販のデータベースばかりではなく PostgreSQLやMySQLを2002年に採用した。

すべての選択は、安心・安全・安価(="安^3")のためである。 フリーウエアやシェアウエアならば何でもよいわけではない。 国際的コンソーシアムが開発を支援していることが必須の条件である。

世界中のSEが寄ってたかって開発するものの安定性は何者にも変えがたいものがある。 1社が作成するものはたとえ世界的大企業であっても、 バグ付きの可能性を避けられないし、発見されたバクの修正が遅い。

私企業が独占するOSやツールに縛られることは、警戒しなければならない。 利益追求がこれら企業の目的であるから、 結局、長年にわたって多額の利益が吸い上げられるようになっている。 顧客にも迷惑、われわれも疲弊することになるからだ。


私が勝手に命名している「コンピュータの暗黒期(1945〜1980)」には、 「コンピュータのバージョンアップをしなければ 御社は営業できなくなってつぶれますよ」と言って 巨額の利益を手にしていたコンピュータメーカもあった。

はっきりしているのは、今は、コンピュータを握って 顧客の命の玉を握っているかのような営業戦略をとる時代ではないということである。

われわれは、オープン環境の時代に生きているのである。 自由な競争の時代であり、顧客に選択の自由を100%任せても、 わがほうに快く仕事を頼む関係を作ることである。 そのためには、高度な技術と"安^3"(=安心・安全・安価)を常に考究し、 顧客に提案し続ける姿勢を堅持することである。


現在検討中のツール類には、exCampus、Xoops、Moodle、a-Blog、Thingamablog、 MovableTypeなどがある。 いずれも、「ホームページの自動生成」や 「ブログツール」として利用できるものであり、 現在需要の高いシステム開発に利用すれば他社に比べて 格別に安価にシステムを構成し提供できることが期待されている。 これらはいずれも国際的な開発支援組織がしっかりしていることも特徴である。

.netは魅力的だが顧客がその基盤利用コストに難色を示す問題があった。 しかし、monoプロジェクトが登場してlinuxで.netが扱えるようになって その問題も軽減できる。 javaは手作りの煩雑さがやや重荷だったがTigerなどの登場によって 負荷が軽減されるようになっている。

われこそはと思うものは、よいツールをどんどん世の中に出すがよい。 われわれは、それらを活用して、社会組織に適合した、 モラルの高い、どこにも負けない、システムに仕上げて見せるだろう。 これが、エンドユーザに密着したわれわれの生きる道である。

高い技術とともに"安^3(アンスリー)"(=安心・安全・安価)を堅持し、 日々更新し続けることが、この業界で生き残る基本的方略である。

ちなみに、これらは、3つの経営戦略の一つ「後方戦略」の一部であるのは 言うまでもない。


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