中国は、日本と比べて15年遅れのバブルです。
青年はバブリー青年(汗しないで儲かると勘違いしている)が多くなり、
労働賃金はアジア標準(日本の約40%)です。
反日感情と言うよりも、経済と軍事で日本に勝っているという自信に裏打ちされて、
日本蔑視観念が蔓延していますから、友好的な交流が著しく阻害されています。
永年日中友好に努力してきたつもりの私としてはたいへん悲しい事態です。
アジア標準賃金とは、1999年ころから、
東南アジアと中国の工場労働賃金はドル建てで見ると、
ほとんど統一されたことをさす私の造語です。
国際資本が高騰するアジア工賃に手を焼いて、
安い工賃の国に工場を激しく移転する(契約工場を突然変えるという暴挙)
ことによって、成立したものです。
結局、アジア標準賃金は高止まりしていますから、
国際資本がやったことは思惑はずれです
(アジアの労働環境を良くしたことにはなりますが)。
「日本の約40%」という賃金水準はかなり微妙です。
農業従事者の収入はその5分の一程度ですから、
工場労働者はかなりの高給取りと言うことになります。
システム技術者は、工場労働者の1.5倍程度です。
日本の給与水準の60%程度です。
彼らにとって、国内にいるよりも日本で働くほうが賃金面で多少の魅力はありますが、
物価水準(日本の4分の一)で考えると中国国内から出るのは得策ではありません。
システム開発は「中国への持ち帰り作業(オフシェア)」がはやっている理由です。
しかし、日本の製造管理が行き届かないこと、
小回りが利かないこと、文化の違いから
ユーザインターフェイスがまったく日本人好みとはならないので任せられないこと、
製造能力は高くとも設計能力が低いことなどがネックで、
オフシェアに向く仕事は限られています。
通信ユーティリティやOSなど、仕様が明快で、技術的には国家や民族に依存しないものがオフシェアされています。
コストでは両国間の交通費と両国サイドに発生する管理コストを考えると、
茨城ソフト工場や岐阜ソフト工場と大差はありません。
人間の数が多いので、大規模な作業に向いているとは言えるかも知れません。
台湾は、大陸ほど日本蔑視の空気がありませんが、アメリカ志向です。
日本向けの仕事は一線級が対応しません。
できばえも二線級です。
国民性も大味で、利己主義でチームでの仕事に向かないと、
台湾の名誉教授である私の先輩(K先生)はつねづね嘆いていました。
彼は、副教授のころ私のいた研究室に留学していました。
日本人の気質に似た、ベトナムやラオス、タイなど(ドラヴィダ語族)
が望ましいのですが、いま、この方面のコネクションはまだ確立していません。
これからの課題です。
インド人技術者は、話題性のためマスコミが取り上げましたが、
インド人技術者を派遣すると謳っている派遣会社に、
この夏、訪問や見積の依頼を一斉に出しましたが、
一通も返信・応答がありませんでした。
事実上、この事業は成立しておらず、
事業部門の廃止か、廃業しているものと推測されました。
多くの日本人が黒い肌を避けているために
ビジネスが成立しなかったのだろうと思います。
残念なことです。労賃を考えると中国と同じ問題があるでしょうし、・・・。
海外戦略もあきらめずに模索を続けますが、まずは優先的に、
国内で安価な素材を探してスリー"安"のための努力を続けたいと思います。
素材(ツール類)は、すでに国際化していますから、
属している国家によらず、安価で安全なものを手に入れることができます。
"何がよいものか"を識別するだけの知識と見識と眼力さえあればよいのです
(これが難しい)。
「内製組み立て」のある部分を、
優秀なフリーウエアやパッケージに置き換える方法がありうるからです。
「内製組み立て」の別のある部分は必ずわれわれが
手を動かして作成しなければならないのが情報システムの宿命です。
社会組織が変われば、新しいシステムが必要になります。
これがわれわれのビジネスチャンスです。
新しい社会組織に対応する情報システムに利用できる古い技術は限られています。
かならず新しい部分が生ずるからお仕事が生まれるのです。
新しい部分がなければすべてパッケージで済むことになるはずです。
この宿命の部分だけで十分われわれのビジネスは成立します。
この部分こそ私たちの技術力が生きる部分です。
置き換えられる「優秀なフリーウエアやパッケージ」の部分は定型的で
作り方がパターン化している面白くもなんともない部分です。
ただし、世の中には、見掛け倒しの「フリーウエアやパッケージ」も氾濫していて、
使用したら、結局エンドユーザがひどい目にあうという代物も多いのです。
「選択眼」こそ、命です。
うまく選択できれば、お安くよいシステムが提供できるはずです。
引きつづき、がんばります。
よろしくお願い申し上げます。