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(14)報償について、もう一度クリステンセン

http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/11/14_556a.html

2005/11/25

私は、少し前の記事で、 クレイトン・クリステンセン(米ハーバード大学ビジネススクール教授) の発言を取り上げた。

「「株主利益最大化」のまやかし、クリステンセンはかく語る--社長の条件(12)」。 http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/11/12_391d.html 私が取り上げた、同じ日経ビジネスの記事の中に、もうひとつ興味深い発言があった。


○藤森 報酬や報償せいどもイノベーションの量に反映すると思いますか。

○クリステンセン 私はそう思いません。革新的な人をよく見てください。 彼らは、革新するということが、ただ好きなだけなんですよ。

○フクシマ (自分のアイディアが採用されるかも知れないと思うだけで) 数百ドルの航空運賃を払って、100ドルの商品券をもらった人たちのように。

○クリステンセン そうです。 新しくてエキサイティングなものを作り出すという機会が報酬なのであって、 それがやる気を起こさせる。 ですから事後に「ありがとう」という意味で報酬を与えるのはよいとして、 事前に報酬を約束してカネで釣るようなことをしてもあまり効果がないと思います。

(「日経ビジネス」の特別編集版(2005.11.28)、p.86)


心理学の最近の研究にも、 子供たちに褒賞を与える約束をして社会性を育てるという試みは、 実験によって効果がなく、 場合によっては逆効果になっていることを示すものがあった。 クリステンセンは、慧眼にも企業革新にインセンティブは無駄と言っているのである。

ビジネスの現場でも、カネ(インセンティブ)で釣ってうまく行くのは、 短期に雇われる出来高の営業マンくらいで、 組織の変革と次なる発展を担う人はカネに動じない人ということに違いない。

後に続く君たちは、カネばかりが人生ではない、という人たちばかりだ。 もちろん成果の後には褒賞はあるだろうけれど、 カネのために右顧左眄するような風潮はこれからもきっぱりと拒否してもらいたい。 カネに踊る者は、カネで操ろうとする者に弱く、 たちまち、カネがらみで仕掛けられたわなにはまるという事実もある。 十分注意してほしい。


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