(2)企業家も大いに勘違いした
競馬場買収のころ(2004年10月)
仙台球団を買収に失敗すると、ホリエモンは高崎競馬場の買収に名乗りを上げた。
競馬場はサンザン待たされたあげくすっぽかされたのだが、
じらすのがホリエモンらの買収交渉の手口である。
ある著名なリクレーション施設の経営者たちから、
私は執拗にライブドアとの接触を要請された。
経営が苦しくなった自社を買い取ってほしいというのが彼らの狙いである。
「IT企業だから、何とかルートがあるでしょう」とかれら。
「知り合いというわけではありませんから、
そうそう巧く引き合わせることができるとは限りませんよ」と私。
「お願いします。堀江さんは、馬に関心があるようだし」と彼ら。
「博打に興味はあっても、馬が好きとは限りません。
御社の乗馬施設は一日に何億も何千万も荒稼ぎするわけではないでしょう」と私。
「私も競馬好きですけれど、競馬好きはたいてい馬好きなんです」と社長。
やれやれ、「彼は、競馬さえ好きかどうか分かりません。
彼は"お金のなる木"が好きなだけだと思いますよ」と私。
後日、業界団体の幹部を通じてライブドアに連絡をすると
案の定「多忙につき面談不能」というニベもない返事が返ってきた。
当該の業界団体の幹部さんが言うには、
「とにかく、とにかく、ライブドアはやめたほうがいいですよ。
ひどいメに遭った会員さんがたくさんいるんです」ということだった。
リクレーション施設の経営者たちには、「多忙につき面談不能」と伝えて、誰が言ったとは言わずに「ライブドアはお金が惜しくないのではなく、
逆にお金がほしいのです。
近寄らないことをお勧めします」と説明した。
この施設は、その後自助努力して、経営は上向きつつあるので、
あの時、売らなくて正解だったのだ。
このほかにも、いろいろあったが、
いまだに話すと支障のありそうなものが多いので、
ホリエモンに接触せずに無事に収まった上記のケースだけにとどめたい。