教壇に立ち、ゼミと卒研の学生を預かって、10年余の間に体感したことは、教育ほど難しいものはない、ほぼ不可能に近い、ということです。教員側にできることは、背中を見せることと学生の置かれている環境を整えるというか,できるだけよい環境に置いてあげることだと感じました。そうすれば、学生も生きものだから、自分で育つのです。
大学教員のミッションは、研究と教育と云われていますが,相手のある話です。個々の学生のレベルに応じて研究がより重きをなしたり、教育を重視すべきだったりします。大学全入時代を迎えて、最近は高校のレミディアル(補修)教育まで行なわれたりしています。
教育の手段としては、講義と演習及び実験などがありますが、それらの目的は知識の伝達です。ここでは実際的な教育法が役立ちます。初等中等教育のノウハウ,
例えば、キカン指導が参考になります。一方、ゼミと卒研は小人数で、家族的な雰囲気で行なわれます。ここでは、共に学ぶ姿勢が大切かと思っています。せいぜい学生に対しては兄貴分だという程度で接すればよいのかと思います。
注:机間指導
授業中、生徒の机と机の間を教師がまわって歩きながら講義すること。内職や私語防止に効果的である。昔は机間巡視と言っていたようですが、「巡視」だとただ見て歩くだけなので、「指導」という言葉に変わったらしい。
卒研は、大学での勉強の総仕上げと云えるでしょう。卒研とゼミは学生が特定の研究室に属して行ないます。教員個々に特定の分野の専門性がありますから、自ずと研究テーマは限られます。学生としては、自分の専門性をどの分野に決めるか選択しなければなりません。分野を決めると自ずと教員が特定されます。ゼミと卒研は特定の研究室を持つ教員の管轄下にあります。
卒業のほぼ直前という時期に自分の名前で自分の行なった研究を発表し、指導を受けた教員以外の教員の評価をうけなければなりません。その評価が合格(必修8単位)となって初めて卒業に到る訳です。ゼミはあくまでも卒研の準備学習という位置付けです。
以下、ゼミと卒研を個別に取上げます。
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