便利でしかも安全というのは難しい注文です。JRの湘南新宿ラインは,横浜から新宿に出るのに大変便利しています。線路はどうなっているのだろうと先頭車両に乗ってみました。西大井を出た所で品川から来る下り線路と大崎へ向かう上り線路とが交差しています。
ややこしいですが、上の写真のキャプションは左右取り違えています。品川へ向かう線路は左側です。右の線路はいったん右に向かい左カーブして横須賀線とは立体交差して大崎に向かいます。
ここからが、本題です。
教育テレビで畑村先生(HY00)のシリーズ5「安全、便利さの裏側にあるもの」を観ました。JR宝塚線尼崎脱線事故はなぜ起こったのか。事故の直接原因はスピードの出し過ぎですが、なぜスピードを出さねばならなかったか、その説明に驚きました。何も知らなかったからです。そして、なるほどと思ったからです。
私鉄阪急とのサービス競争があり、使用者の便利さを増すため、尼崎で相互乗換えできるダイヤになっていた、というのです。同じプラットフォーム上で相互乗換えするには、福知山線(東西線)の車両と山陽本線の車両とが同時に到着しなければなりません。デートするようなもので,約束の時間を守らなければならないのです。ここでは、それ以上の説明は控えたいと思います。
一般的に云って、システムは最大の効率を求めて成熟して行きます。そして、次第に安全性がおびやかされます。京浜急行の羽田空港線も大変便利になりました。しかし、運転する側は大変苦労しているようです。
限られた資源を使って利便性を追求すると安全への配慮が欠けてくるのは仕方のないことです。トレードオフの問題です。念には念を入れということですが、困難な問題です。
トレードオフ(trade off)とは、あちらを立てればこちらが立たないという二律背反の関係のことです。典型的な例は、安全性とコストの問題です。例はいくらでもあり、売上と利益率もそうです。利益を上げようと価格を上げると、売上が減って利益が出なくなります。

この写真は、京急川崎駅です。浦賀行きの電車が待避線で待機しています。レールが上下線の間にあり、この画像を見ると、転轍機の制御系統の信頼性が安全確保の点できわめて重要であることが想像できます。万が一ですが、もし転轍機の動作が乱れると大変です。
何思うことなく便利に日々の往来で利用していますが、交通機関の安全に携わる方々のご苦労が忍ばれます。たまたま先頭車両に乗ってそのようなことを思いました。
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